正月は実家がある兵庫県加古郡に帰省してきた。
スナップを始めてから帰省するのは初めてだったので、いままでいつも何気なく通る道だったが、GR2を持って歩くだけで長い間なんとも思わなかった街並みが魅力的に思えた。
最寄駅。
ずっとあったのに今まで一度も渡ったことのなかった歩道橋に登ってみた。
カメラを持つだけで通ったことのなかった道を通ろうと思えたり、気づきもしなかったことに気づけることはすごく感動する。特に見慣れた景色の実家周りならその感動は大きかった。
ぜひ、故郷に帰省した際にはカメラを持って近所を回ってみてほしい。きっと見慣れた景色と違うものが見えてくるはずだ。
正月なのに閑散としたホーム。
何年か前に改装したようで、とても綺麗だが人で混み合っているところをみたことはない。
もともとかなり小さく簡易的な駅だったので、今残っていたら趣があったのになとも思う。
近所にあったことは覚えているが、見向きもしていなかった特別ボロい(失礼)建物。
シャッターがほとんどだがお店はいくつか入っている。
果たして客は来るのだろうか、とおせっかいなことを考えたりもするが、営業が続いているのは来るからだろう。ここにも一つの社会がある。
都会に住むのに慣れると、こういった田舎の整頓されていない街並みが愛おしく思えてくる。
自然だけの景色もいいが、人が一旦開発した後に随分時間が経って少し自然に還っている状態が好きだ。
汚れ、サビ、苔、ヒビ、剥がれ、日焼け、破れといった経年変化。
表面にメッキだけしたような、見た目だけ綺麗にした味気ない街よりもずっと暖かい景色だと思った。
撮影カメラ: RICOH GR2