2年前に、パイソン革の本革のキーカバーを2個セットで購入した。
それから片方だけを使っていて、もう片方は一切使っていないので新品の状態だ。新品と2年間後の比較とエイジングの様子を紹介しようと思う。
パイソン革の特徴と魅力
パイソン革は、2400種類ほど生息しているといわれる蛇の中でも特にウロコの模様が美しいとされているパイソン(ニシキヘビ)の革が使われたエキゾチックレザーだ。
混同されがちなクロコダイルレザーについで高級な革とされていて、ラグジュアリーな雰囲気がある。
実際のウロコが馴染むにつれて寝ていき色が変化していくエイジングは、型押しレザーにはない魅力と個性だ。
新品の状態ではウロコの端が浮いている。このウロコは引っ張ったら剥がれそうにも思えるが、パイソンの鱗は魚と違って独立しておらず、表皮が硬化したものだ。ペンチなどで無理やり剥がさなければまず剥がれることはない。
このウロコのおかげか、パイソン革は牛革に劣らない非常に高い耐久性を持っている。
パイソン革の手入れ
パイソン革は基本的には手入れ不要で、ホコリや汚れを拭いてあげる程度で大丈夫だ。あとは普段からよく触ってあげるのがいいだろう。
ただし水気や湿気はNGで、濡れた布で拭いたりはしてはいけない。できるだけ水気とは遠くに置いて、濡らさないようにしたい。
といっても僕はキーカバーに入れた鍵を腰にいつもつけていて、急な雨に降られたり雨の日にバイクに乗ったりもするので濡れることはたまにある。
濡れてしまったからといってこれまで特に何もしていなかったし、なにより水気がNGというのはこの記事を書くにあたって調べて知ったほどだ。だからこの2年間あえて濡らさないようにとか意識したことはない。
気になる人は濡れないよう大事にしたほうが良いかと思うが、そこまで神経質にならなくてもいいかなと思った。ここは自己責任だし人それぞれの革との付き合い方だろう。
日焼けで色が変わってしまうみたいなので、色の変化をゆっくりにしたい人は蛍光灯などの光も含めてあまり明るいところには置かないほうが良さそうだ。
この点においても僕は気にしたことがなくて、手入れも気遣いもなく2年間使ってきた結果がこれから紹介するキーカバーのエイジングだ。
蛇革(パイソン革)のエイジング
左が新品で、右が2年間使ったパイソン革のキーカバーだ。
パッと見でまず色が変わっているのがわかる。もともと色が濃い部分は使っていてもあまり変わらず、白っぽい部分がより深く濃いベージュ色になっている。
新品のパイソン革
これがまず新品の状態。ウロコの端は少し浮いている。
表面は革というよりは少し作り物のような質感があり、光を反射してテカテカしている。生き物の蛇の表面もテカテカした質感なので、その名残だろう。
キーカバーなのでこの180度に折り曲げる部分は特にウロコの端の浮きが気になる。
2年間使って結果剥がれたウロコは一つもないので、最初は心配に思うかもしれないが特に手入れも不要で気にせず使って大丈夫だ。
2年間使用したパイソン革のキーカバー
2年間使ったキーカバーの写真がこちら。キーカバーは特に手で触ることの多い物なので、しっかりエイジングが進んでいる。
少し浮いていたウロコの端はしっかりと寝て馴染んでいる。ここまでいくと爪で掻いたりしてもウロコの端がまた浮くことはない。
全体的に色も浅黒く変化して、作り物の用に見えていたテカテカした光沢も落ち着いた自然な光沢に変化している。
ちなみにこの2年間、このキーカバーは一切手入れしていない。
手で触る機会が多いと手の脂が革にしみてくれるので、オイルを塗らなくてもこうして乾燥せずにエイジングしてくれる。
この180度曲げているところもウロコはしっかりと寝ている。
手触りも新品のガサガサした質感はなくなっていくので、気になる人は普段からよく触ってあげるといいだろう。