チェルシーブーツを履き続けて7年が経った。
僕はドクターマーチンのチェルシーブーツを世界一履きやすいブーツだと思っているんだけど、僕のものほどくたびれたマーチンのチェルシーブーツを履いている人を町で見かけることはそうない。人によっちゃもうゴミなのかもしれない。
そんなドクターマーチンのチェルシーブーツのエイジングの参考になればと思う。個人的には愛着がすごくてまだまだ履けると思っているので、これからも手入れを続けて、どこかでソールを修理してでも履き続けようと思っている。
Contents
マーチンへの思い
僕は靴、特に本革のブーツを買う瞬間が好きだ。
本革のブーツはほとんどのものが頑丈にできていて、長い付き合いになる。買った瞬間から同じ表情の時はなく、履くたびに少しづつ柔らかくなり、傷が入り、自分の足に馴染んでいく。
そういう「長年の友との縁のはじまり」それがブーツを買う瞬間だ。
ところで僕はドクターマーチンのブーツが好きだ。クロムエクセルなど革質のいいものやモードブランドのものなどもっと値が張るブーツも他にいくつか持っているが、それでもドクターマーチンのブーツは魅力的だなと思う。
革に精通している人や質の良い革が好きな人であれば、ドクターマーチンの革質は決していいものとはいえず、エイジングも革として綺麗とは言えないだろう。
しかし僕は、頑丈かつ表面が擦れまくった荒々しいドクターマーチンのエイジングは、他のいわゆる「いい革」のブーツのエイジングとは違う、ひとつのジャンルを築いていると思う。
僕にとってドクターマーチンの魅力はなにより「ストリート感」だ。
ドクターマーチンは1960年代にモッズやスキンズ、パンクスといったストリートの住人たちが履き、ミュージシャンやサブカルチャーの世界を席巻したアイコニックなブーツだ。きれいに上品に履くものではなく、所得の多くない層の人たちがなんとか手に入れたブーツを長年ずっと愛用している。マーチンはそういう雰囲気が一番格好いいと思う。
だから僕の持論ではドクターマーチンのブーツは大事に大事に履くんじゃなくて、傷なんて気にせず乱暴に履いて、手入れで綺麗にするのを繰り返すのが一番だと思っている。
Dr.Martens 2976 チェルシーブーツ 7年でのエイジングの様子
新品購入時、履く頻度と手入れの頻度
これが新品購入時の写真。このチェルシーブーツの購入は2013年の11月。
仕事通いから休日の休みまで、ほとんど毎日履いている時期もあった。
〇〇年エイジングといいながら履く頻度が多くないものもあったりするが、僕ものは間違いなく7年間高い頻度で履き込んだもので、リアルなエイジングのさまを見てもらえると思う。
僕はこのブーツでバイクにも乗るので、通常よりもさらにエイジングが早いかもしれない。
手入れの頻度は年に2、3度ほど。ここ最近は手入れをサボっていたが履くたびにブラッシングはするよう心がけていた。
モデルはMADE IN THAILANDの普通のものだ。なんとなくこれは少しつま先が広くて、現行ものはもう少しスタイリッシュな気がする。
全景
改めて見るとボロい。最後に手入れしたのは1年ほど前で少しサボっていた。
つま先のダメージが目立つと思うが、横のゴムのたわみや全体のくたびれ感もなかなかなものだ。しかしこんな状態になっても穴が開く気配は一切なく、革の頑丈さをうかがえる。
つま先・アッパー
つま先のダメージはわりとハードで、ところどころ表面がえぐれている。これは手入れので補修するとある程度きれいになる、
右足のシワの部分に革が少し裂けてしまっているところがあり、こうなると直らない。バイカーらしく当て革の補修をしても格好いいかもしれない。
側面・足の入れ口
ゴムが伸びているので、少し足の入れ口が広がってしまっている。
これはこれで脱ぎ履きしやすくていいのだが、見た目を考えるともっと締まっていたほうがいいかもしれない。ソールを修理する際にでも相談してみるとする。
サイドゴム・プルタブ
少しだけサイドのゴムが裂けている。
後ろのプルタブは最初硬かったがもうフニャフニャに柔らかいが、ここまで使ってきてちぎれる予感は一切しない。
チェルシーブーツを履く際はこのプルタブに全て力がかかり結構負担はかかっているはずだが、7年経っても千切れたり取れたりすることがないのでここは余程頑丈にできているのだろう。
バック・踵
カカトの減り方がよくわかると思う。カカトの外側が減っているのは正常らしいので歩き方には問題ないはずだ。
靴の内側が擦れているのと、ソールの側面をバイクのマフラーに当ててすこし溶かしてしまった。
見た目に結構エグいダメージだが、バイク乗りの勲章としてまあいっかと思っている。
ソール
ソールの前方部分は擦れて完全に凹凸が無くなっている部分があり、カカトはエアー部分が露出して穴が開いている。このダメージは深刻と言えば深刻だ。
少し滑りやすい程度で履いていて問題はさほどないが、ブーツに致命傷が入ってしまう前に修理したほうがいいかもしれない。
エイジングしたマーチンの魅力
マーチンの革の魅力は、「頑丈であること」と、「上質な革ではないということ」だと思う。
後者はデメリットのようにも思えるが、質が良くなくて頑丈だからこそ、神経質にならず乱暴に履けるというメリットだと思っている。雨の日もアウトドアでもガシガシ履いていけるのがいいのだ。
僕のチェルシーブーツほどエイジングが進んでしまえば、例えばコンクリートの上でスライディングするのさえ全然気にならない。
全速力で走れるほど革は柔らかいし、この靴を履いているからということが理由で躊躇する・できない行動がなにも無い。
僕はそういう状態のブーツが一番格好いい状態だと思う。
例えば強盗に荷物を取られたり、荒地の奥に落とし物をしたり、恋人が急にさらわれたり(?)。そんな時に上品な靴を気にして行動が鈍くなるよりも、どこにでも踏み込んでいける履きなれた靴こそいい靴だと言えるんじゃないかと思う。
少し極端だが、僕がマーチンに感じる魅力は見た目以外にこういう「信頼感」にもあると思う。
手入れ方法とビフォーアフター
チェルシーブーツの密かな魅力はなにより手入れしやすいというところだ。
紐ブーツと違い手入れ時に紐を抜く必要がなく、そのままサッと手入れすることができる。
今回の記事で紹介したのは1年ほど手入れせず履いていたものなので、次の記事では手入れするとどれくらい傷が目立たなくなり、表情が回復するかを紹介できればと思う。
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ドクターマーチンの手入れ 7年間やってきたチェルシーブーツの手入れ方法
先日7年間履いたドクターマーチンの2976チェルシーブーツのエイジングの紹介をしたが、今回は手入れの紹介をしようと思う。 初めに言っておくが手入れ方法はいろいろなネットや雑誌で調べてからの我流なので、 ...
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他にどれだけいい靴を手に入れようとこのブーツは多分ずっと相棒として君臨し続けるので、手入れや修理を重ねてもうどうしても履けないという状態になるまで履いてやろう。
この記事が、チェルシーブーツの購入を悩んでいる人や、どんなエイジングになるのか気になっている人の参考になればと思う。
ネットで買えば正規店よりもかなり安かったりするので、サイズがわかっている人はネットから買うのがオススメだ。