トラベラーズノートのカスタマイズは無数にあって、しかもその正解は人それぞれ使い方によってそれぞれ全く違う。
最初のうちはいろんな人のカスタマイズを参考にして、いろいろとリフィルを買っては試し、つけて外してを繰り返して僕は現在4年目で今のスタイルにたどり着いた。
最終的には結局シンプルにノート以外の使い方をしなくなったのだが、そこに行き着くまでの経緯も書いていこうと思う。
Contents
1. ノートとスケジュール別持ち期
僕がはじめてトラベラーズノートを手にした時、贅沢にもレギュラーサイズとパスポートサイズを同時買いした。
というのも、最初選ぶときに色で悩んだからである。もともと僕は財布やアクセサリーなど持ち物の小物ほとんどを黒革で揃えていて黒革を使い込んだ傷や光沢が好きだったのに、エイジングサンプルとして店頭に置いていた茶色の革のトラベラーズノートの風合いがあまりに魅力的だったからである。
その場でどちらかひとつという決断は僕にはできなかったので、レギュラーサイズとパスポートサイズのどちらが自分に合うかわからないし…という言い訳をしながら茶色と黒、2冊のトラベラーズノートを持ち帰った。
その2冊両方をスケジュール帳として使う意味はなく、そもそも当時会社勤めだった僕はスケジュール帳にわざわざ予定を書くことも少なかったので、まず最初はパスポートサイズにマンスリーのスケジュールを、そしてレギュラーサイズに専用のノートをつけて議事録用ノートにしていた。
当時それまで数百円の使い捨てノートしか買ったことがなかったので、トラベラーズノートを買ってからはとても浮かれながら毎日2冊のノートを持ち歩いていた。仕事の時は2冊、プライベートはパスポートサイズのみを持ち歩くのが当時のスタイルだった。
2. パスポートサイズだけ持ち歩き期
ノートを持ち歩くだけで楽しいという浮かれた時期が少し過ぎた後、2冊とも持つのはかさばるし重いという当然の理由で、普段持ち歩くのはパスポートサイズのみになり、議事録用として使っていたノートは家に置いて、会社ではこれまでと同じ安ノートを使うようになった。
ちょうどその頃にミニマリストに憧れるようになり、とにかく持ち物を少なくして鞄の中身から財布のカードまで減らしたりしていた。
それもあって尚更かさばるレギュラーサイズは持ち歩かないようになっていた。パスポートサイズには財布から抜いたポイントカードを数枚挟んで持ち歩いていた。
パスポートサイズにはボールペンはパーカーの「ジョッターフライター」を挿しており、このころから今もずっと愛用している。
羽根型のクリップが可愛く、トラベラーズノートの「旅」というコンセプトと羽根というモチーフはよく合っている気がする。
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3. パスポートサイズカスタム期
せっかくパスポートサイズのみ持ち歩くのであればポイントカード以外にもいろいろできるようにしようと、とにかく機能を詰めるようになった。
レシートやカードまでお金以外をここで管理するノート兼ポーチのようにしようと、クラフトファイル、クリアファイル、ふせんセット(トラベラーズノート専用のもの)、ペンホルダー、ブックダーツ、ナンバークリップなど、つけられるものを全部つけたようなノートにしていた。
そうして使っていると、そのうち以下のような問題が出てきた。
・ポイントカードを入れていても、レジでわざわざノートを出すのが非常に面倒
・クリアファイルを入れるとノートが波打ち、書きにくくなる
・ブックダーツ・ナンバークリップにより持ち歩くときに紙にダメージがあり、見た目が汚くなる
・ふせんは結局使わなかった
・とにかくいろんなものをはさんだ結果、トラベラーズノート本来の美しさを失った
以上の理由により結局装飾品はすべて外した。それと同時についにスケジュール管理をGoogleカレンダーで行うようになってスケジュール帳が不要になり、とうとうノートを持ち歩くことすらなくなってしまった。
4. 「メモの魔力」革命 レギュラーサイズの復活
そうしてマンスリースケジュールだけを挟んだパスポートサイズをたまに持ち歩くだけになっており、持ち歩きたいが使わないトラベラーズノートを机の上に置いて眺めていた僕にノート革命が起きた。
それは、「メモの魔力」を読んでからである。
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「メモの魔力」を読んで短期間で変わった5つの習慣と生活
今年最も話題となった実用書といえば、前田祐二氏著の「メモの魔力」ではないだろうか。 発売自体は昨年の12月25日だが、3月、4月と「世界一受けたい授業」にも前田氏が出演され、まだまだその話題は途切れそ ...
この本を読み、僕はアナログのノートを使う生活に急変した。
この本の著者である前田氏はモレスキンを使用しているそうだが、その他にもスケジュール帳、非常時用の小さなノート、そしてEvernoteを使い分け、いつでもノートを取りやすい環境にするかを大切にしているということが本の内容で伝わった。
そこに感銘を受けた僕は、ノートにはっきりとした役割を与えることによって書くことが定まるのではないかと思い、持っていたトラベラーズノートを見直すことにした。
それはどういうことかというと、トラベラーズノートに「何を書くか決めてしまう」ということである
僕はもともと日記をつける癖がなかったので毎日どんなことが起こったかを振り返ることはしなかった。
しかしそれを多少なりともすることで日々の積み重ねがあるかもと思い、「予定」よりも「履歴」を残すことを重視し、はじめてマンスリー(見開きで1ヶ月)ではなくウィークリー(見開きで1週間)のスケジュールリフィルをレギュラーサイズ用に購入した。
そして、ウィークリースケジュールを下画像のように縦線を引いて分割し、それぞれに役割を与えることで活用するようにした。
これは「メモの魔力」を読んでそれをアレンジ・実践したものになる。
(①)左側、スケジュールの左側には予定・タスクを書くセクション(業務タスクはエクセルで別途つけている)
(②)その右側には、その日起こったことを簡易日記として書くセクション
(③)右側ページの左側には、その週に学んだこと、また反省したことを書くセクション
(④)右端には③やその他の事象を受けて、その週ないし次週から実行する「行動」を書くセクション
以上の使い方にまとめた。こうすることで、単にスケジュール帳としてだけではではなく日記と反省、そこからの行動に繋がるトリガーとなるノートになった。
また、「習慣」を見直すきっかけにもなる。
僕は毎日のルーティンを定めてしまわずに改善を重ね、何が最善かを定めていく性格なのだが、その改善した行動を右端(④)に書き出すことで、前週に考えたルーティンを実践した結果どう変わったか、成長と過程を簡単に見比べることができる。
さらにウィークリーのスケジュールに加えて軽量紙ノートを挟み、仕事用の議事録ノートとしての機能も追加した。それにより、レギュラーサイズのノートは「簡易スケジュール」「日記からの反省・考察・実行メモ」「議事録」の3つを一冊の中にできるだけシンプルな形で叶えたノートになった。
メモの魔力で前田氏が使われているのは三菱ジェットストリームの4色ペンだが、このペンは残念ながらトラベラーズノートのペンホルダーに収まらない。
僕はLAMYのトライペンをしており、これがトラベラーズノートにはデザインも含めて最高の3色ペンだと今でも思っている。
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そして、少しでも綺麗にノートに書きたいという欲が出たので、レギュラーサイズ専用の黒い下敷きを購入して常に挟むようにした。
トラベラーズノートはカバーが柔らかいため書く際少しノートの紙がたわんでしまうので綺麗に描きたい場合は下敷きがあれば良い。また下敷き利用して中央線も引ける。
トラベラーズノート純正の下敷きはカラフルなものが多いが、黒い下敷きは裏写りの線を隠してくれるので非常に書きやすくなる。
そしてパスポートサイズには無地のノートのみを入れ、これを「小さな鞄だけ持つ日用の軽量ノート」とした。
またトラベラーズノートとは別に、モレスキン風のノートを別に購入し、これは「メモの魔力」をそのまま模倣した「考察ノート」としている。トラベラーズノートのノートは保存に向きにくいところもあるので、モレスキンはどちらかというと書いたことを残していくことを意識するノートである。
その上僕は普段Evernoteという電子ノートも使用している。
これらそれぞれのノートの使い分けについては「ノートの役割分担 トラベラーズノート、Amazonモレスキン、Evernote×Fastever」の記事を参考にしていただきたい。
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さいごに 最終的にはシンプルな形におさまった
それは必要な機能か、単なるデコレーションか
思い返すと僕はあまり昔からデコレーションというものが性に合わなくて、持ち物は極力シンプルにしたい性格で合った。
ファイルやいろんな機能を詰めたトラベラーズノートは便利かもしれないが、「トラベラーズノートでしかできない」というものではなかった。ファイルやクリップなどノート以外の余計な機能は自分にとって「デコレーション」でしかなかった。
結局のところ僕の2冊のノートは、レギュラーサイズは軽量紙ノートとスケジュールノートの2冊を挟むのみ、パスポートサイズは無地ノートのみというシンプルな形に収まった。余計なものを排し、ノートのみの機能とシンプルな見た目に行き着いたわけである。
しかしこれも、誰しもが通る「デコレーションが楽しい時期を経て最終的にシンプルになる」というよくある流れのような気がして腑に落ちている。
完成形は百人百様。
おそらく人によっていろんな試行錯誤があり、そしてそれぞれ行き着く先があるのがトラベラーズノートの楽しさであると僕は思う。実はまだ面と向かってヘビーに使用している人と出会ったことがないので、ガッツリ使っている方がどんな使い方をしているの話してみたい。
さいごに、唯一のデコレーションというか、個性を持たせるポイントとして僕の大好きなバンド「MONO」のチャームをゴムに装着している。他の装飾を削いでいるからこそ、この一点のみの装飾が気に入っている。
トラベラーズノートに限らず、毎日自分が使うものは何よりもこだわったものでありたい。それは高価なものという意味ではなく、むしろ5000円もかからないこのノートでここまで試行錯誤して自分だけのものにできるのは非常にリーズナブルな「所有満足」であり「体験」でもある。
僕のこの一例がトラベラーズノートを使用している人や購入している人に参考になり、自分だけのノートに行き着く足がかりになってもらえれば非常に嬉しい。トラベラーズノートという「旅」を、僕も含めて皆で楽しめたらと思う。(ドヤ)
それでは。
(撮影カメラ:RICOH GR2)
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