名刺ケース、こだわっていますか。
社会人にとって名刺ケースは登場機会が多いもので、持ち物の中でもこだわっていいところだ。格好いいスーツを着た男が安っぽい名刺ケースで名刺を出してくるとガッカリするものである。
僕がいつも愛用しているのは「CLAUSTRUM」というメタルアイテムブランドの「CC-CONTAINER」という名刺ケースである。通常はステンレスのみでつくられたものだが、僕はそれに革を張っているモデルを選んでいる。
CLAUSTRUMとは
CLAUSTRUMというブランドは東京の銀座に工房を構える主にステンレスを利用したメタルアイテムブランドである。
代表的なアイテムとしてiPhoneケースがある。バネに利用されるような屈強なステンレスを曲げてケースにしており、「FLAP」というモデル名の通り裏面にステンレスのフラップがついており、iPhoneを置くときに角度を付けられるギミックの効いたものである。このように、ステンレスでつくられたただの製品というわけではなくそれぞれの製品にギミックの効いたものを出し続けているブランドである。
これは昔使用していたiPhone4Sに装着していたFLAPである。これも表面ステンレスではなく黒塗りのものであるが…
CLAUSTRUMは製品のセンス、精巧さ、どれをとっても非常に日本らしくて僕は好きなブランドである。ほとんどがステンレスのみでつくられた製品で、どれもミニマルでクールなデザインでかつ遊び心もあり、価格もそこまで高額ではないのでプレゼントなどにもうってつけである。ホームページも非常に格好いいのでぜひ見てもらいたい。
ギミックの効いた名刺ケース
この製品のギミックとして、「片手で開けられる」ことが最大の特徴である。
ケース上部の金属部分をスライドすると、中にあるバネでケースが勝手に開くというものだ。この動作自体が非常に格好良く、無駄に何度も開け閉めしてしまう。
名刺を出すときというのはけっこう手元がおぼつかなくなるもので、通常の動作として
1.左手にケースを持ち 2.右手でケースを開け 3.右手で名刺を取り出し 4.名刺を持ったままの右手でケースを閉め 5.名刺を渡す
という流れになる。
それがこのCC-CONTAINERの場合、
1.左手でケースを持ちそのまま開け 2.右手で名刺を取り出し 3.左手でケースを閉め 4.名刺を渡す
という、一動作減っただけに感じるが両手を使ってうまく一連の動作を流れるようにできるので、通常の名刺ケースよりも圧倒的にスマートな名刺交換ができる。
名刺を受け取ったときも同様で、名刺を持ったままの右手で作業をする必要が無いので、収納も早い。
そしてもう一つ細かな気配りとして、中に仕分けのプレートが一枚入っているこれは自分の名刺と貰った名刺を仕分けるもので、左手にケースを持ったまま傾けるだけで自分の名刺、もしくは貰った名刺を収納するところにアクセスできるのである。これは単純だが非常に理にかなったアイデアで、ただの入れ物としてでは終わらせない制作者のセンスがみえる。
革張りとステンレスの佇まい
あとは単純にその佇まい。革だけでつくられたよくある名刺ケースとは一線を画す、ある意味ドスの効いた存在感がある。
CC-CONTAINERにはステンレスだけのものの中にもマットなもの、黒塗りのもの、ローズウッドを張ったものまである。ギタリストとしてはローズウッドも非常に魅力的で悩んだものだ。
それでも僕がこの革張りのモデルにした決め手が、ステンレスも革も黒一色という素材が違うだけのコントラストが非常にクールだと思ったからである。そして使い込むにつれてステンレスのところだけが少しずつ剥げていき、黒い革は色あせずに光沢が強くなっていき革とステンレスのコントラストも強くなっていく。
この革を留めているリベットの部分ももともと真っ黒だったが、普段の摩擦で金属の地の色が出てきた。これがかなりアクセントにもなっている。
僕は独立当時にこの名刺ケースを購入した。ウェブストアから購入した際、文字入れができるとのことでフリーランスの屋号を入れてもらった。
またこのケースはタバコケースとしても利用できる。普段名刺を持ち歩かない方にも、このクールな製品を所有したいと思ったらそういう使い方もできる。タバコは8本入れられるそうだ。
日本製である誇り
冒頭でも述べたがこの製品は非常に「使い手への気配り」を感じる製品で、とても日本的なものを感じる。CLAUSTRUMのプロダクトはすべてそういう「日本的な良さ」を持ち合わせていて、製品デザインの格好良さ・センス、そして使用するところまで落とし込むこの作り込みがとても好きだ。僕が日本人として誇りに思うブランドの一つである。
自国の製品に誇りを持つことは僕は非常に大事なことだと思っていて、MADE IN JAPANと書かれているとやはりうれしいものだ。この製品には書かれていないが、そんな必要は感じない。
持ち物のコーディネートアクセントに
僕は持ち物を革製品でそろえてしまいがちなのだが、そんな中でもこのCLAUSTRUMの製品のステンレスは強烈に存在感を放ち、持ち物の中でもアクセントになっている。(と言っても革張りモデルを選んではいるが)
服のコーディネートと同じで、持ち物の相性を考えるのも僕は大事だと思っている。ステンレスのその武骨な佇まいは革製品と並べても相性がよく、革製品の温かみに対してステンレスの無機質な存在感というコントラストが全体を引き締めてくれるものになる。